モーツアルト編  60秒

モーツアルトの家編 CM撮影裏話  

ロケは、生家のあるザルツブルクとウィーンで行いました。ザルツブルクは、映画サウンド・オブ・ミュージックの舞台にもなった、オーストリアの小さなでも裕福な街です。ザルツは塩、ブルクは都市。塩の街だからとてもリッチなのですね。生家は旧市街のゲトライデガッセ通り9にありました。その建物の4階にモーツアルトが生まれた部屋があります。本当は天井はあまり高くなく、こじんまりした部屋で、子どもの頃に弾いていたという小さなヴァイオリンとピアノが展示されていました。この街にモーツアルト没後50年を記念して大聖堂音楽協会とモーツアルテウムができ、その後芸術大学となったモーツアルテウム大学がありますが、その庭にモーツアルトが晩年ウィーンでオペラ『魔笛』を作曲した小屋が移築され、保存されています。全体を被う木製のカバーをはずし、小屋を撮影させてもらいました。スタイリストがレースのカーテンをかけ光を与えると、建物に生気がよみがえります。CMの音楽には、当初ヴァイオリン四重奏を予定していましたが、ウィーンでロケの合間に運良くオペラ座で『魔笛』を鑑賞することができ、曲をフィルムに合わせてみると、まるでこの曲をバックにずっと撮影してきたかのようにぴったり合い、おどろきました。
あなたもご存知の指揮者のヘルベルト・カラヤンもこの街の出身です。しかもモーツアルテウム音楽院の卒業生です。ザルツブルクは才能あふれる音楽家を排出する土地柄と言えるでしょう。