世界の偉人筆跡カレンダー 1988年


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 1月アントニオ・ガウディ


  2月レオナルド・ダ・ヴィンチ


 3月フィンセント・ファン・ゴッホ


  4月オーギュスト・ロダン


  5月アルブレヒト・デューラー


  6月フランク・ロイド・ライト


 7月レンブラント・ファン・ライン


  8月パブロ・ピカソ


9月ミケランジェロ・ブオナロッティ


  10月尾形 光琳


  11月フランシスコ・デ・ゴヤ


  12月エミール・ガレ

1988年 Calendar  





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1月 アントニオ・ガウディ Antonio Gaudi

1852.6.25~1926.6.10
スペインの建築家。金物細工師の子としてカタロニアに生まれる。若き日のガウディはイスラムに目を向け、全ヨーロッパ的であったゴシック様式との混然とした共存を試みた。「建築の色彩は強く、論理的で、豊富でなければならない」(日記より)。このようにしてできたのが《カーサ・ビセンス》《エル・カプリーチョ》《フィンカ・グエル》などである。また、彼の代表作のほとんどは、よき理解者・協力者であったグエルによって生まれたが、グエルの死後は《サグラダ・ファミリア聖堂1883~(工事続行中)》のみに従事し、ゴシックへの偉大な挑戦を試みた。

2月 レオナルド・ダ・ヴィンチ Leonardo da Vinci

1452.4.15~1519.5.2
イタリア・ルネッサンスの巨匠。画家であり、彫刻家であり、建築家である。15歳のときフィレンツェに出て修行を積み、やかて独立の工房をもつ。1503年に代表作《モナ・リザ像》を描いた。彼の絵画は、人間性の高貴と理想の典型であり、技法的には二等辺三角形の構図法と光の明暗法を用い、16世紀絵画の決定的方向とした。彼はまた天文学、物理学、地理学、土木工学、造兵学、機械学、植物学、空気力学や鳥の飛行の問題をも研究し、彼のノートには落下傘、ヘリコプター、フラップ翼などのヒントも記されている。

3月 フィンセント・ファン・ゴッホ Vincent van Gogh

1853.3.30~1890.7.29
オランダ生まれ。父親は牧師。画商の店員、牧師の見習い、語学教師、書店員など職を転々とし、28歳頃から絵筆をとる。パリで印象派や日本の浮世絵の影響をうけ、次第に独自の画風を展開していった。のちに南仏のアルルに移り住み、親友のゴーガンを呼び寄せて共同生活を送り、互いに影響をうけ《ひまわり》の絵を初め、多くの傑作を描いた。作品は風景、肖像を主とし、そのリズミカルな線、激しい色調、情熱的な独特の画風は、野獣派、表現派の絵画の発展をうながしたほか、現代絵画にも大きな影響を与えている。

4月 オーギュスト・ロダン Auguste Rodin

1840.11.12~1917.11.17
フランスの彫刻家。デッサン数学学校に学び、20歳の頃から彫刻家の助手や建築装飾彫刻の下職など修業をつみ、24歳の時、最初の傑作《鼻のつぶれた男》を制作した。その後、古典作品の影響をうけ、大作《青銅時代》を発表すると、その迫真的写実のため大いに物議を醸すと共に一躍有名となった。その後《考える人》《歩む人》《クレマンソー》をはじめ多数の作品を遺した。その作風は鋭い写実の技法を駆使して、人間のあらゆる喜怒哀楽の感情、内面にこもる生命の躍動を表現しようとし、彫刻の領域をふみ出して文学的、絵画的である。

5月 アルブレヒト・デューラー Albrecht Dürer

1471.5.21~1528.4.6
ドイツの画家、版画家、彫刻家。ニュールンベルクに生まれる。父親は金工の親方。木版画集《黙示録》によって、若くして名声を得る。彼はルネッサンスの最盛期にイタリアに遊学してその影響をうけたが、のち独自の画風を創造し、北欧的、ドイツ的な美の伝統を築いた画家として、ドイツでは文学におけるゲーテと並称されている。神聖ローマ皇帝の宮廷画家となり、祈禱書の挿絵素描や木版連作《凱旋門》などを制作。ついでネーデルランド地方に旅行し、その間の日記を遺した。帰国後、有名な《四使徒》を制作し、生地で没した。

6月 フランク・ロイド・ライト Frank Lloyd Wright

1869.6.8~1959.4.9
アメリカの建築家。シカゴのサリヴァン建築事務所で修業したのち独立。シカゴを中心に活動した。合理的な平面計画、水平線を強調する安定感に満ちた単純な形態を実現し、近代建築運動の指導者の一人とされた。東京の《帝国ホテル》の設計のために来日、他に東京の《自由学園》、芦屋の《山邑邸》を建築して、日本の現代建築に大きな影響を与えた。のち鉄筋コンクリートの陸屋根やコンクリート・ブロックで飾られた独特の壁面で特色ある多くの作品を飾り、ル・コルビュジェなどの国際建築派と対立する《有機的建築》の中心となった。

7月 レンブラント・ファン・ライン Rembrandt van Rijin

1606.7.15~1669.10.4
オランダの画家、銅版画家。《トゥルプ博士の解剖》によって、肖像画家として名声を博した。今日では17世紀オランダ絵画の栄光をになう巨匠のひとりとして知られ、聖書、神話に取材した作品のほか、歴史画、肖像画、風景画、風俗画などあらゆる方面にわたる作品、油絵、水彩、銅版画、デッサンなども含めて2千以上のすぐれた作品を残した。作風は、対象については写実的な手法を用いたが、光の効果については最大の理想主義者で、色彩および明暗の対象を強調して意図する絵画的効果をあげるところに特色がある。

8月 パブロ・ピカソ Pablo Picasso

1881.10.25~1973.4.8
スペインの画家。マラガに生まれ、幼少から天才的な画風を示した。1900年にパリに出、ロートレックらの影響をうけ道化師やモンマルトル等の場末の人物を描いた。この時期を通称『青の時代』という。ついでラヴィニャンにアトリエを構え、詩人や画家と交友してモンマルトル画派の影響を脱し、立体派(キュービズム)を創始。第一次大戦中は、自然主義、古典主義を経て、超現実派の発生と共に画風を更に展開し、抽象絵画にも独自の作品を発表した。スペイン内乱を題材にした壁画《ゲルニカ》は戦争に対する憎悪を強く訴えた。

9月 ミケランジェロ・ブオナロッティ Michelangelo Buonarroti

1475.3.6~1564.2.18
イタリアルネッサンスの巨匠。彫刻家、画家、建築家、詩人。フィレンツェ近郊のカプレーゼに生まれる。1497年に群像《ピエタ》を制作して名声を得た。のち《ダビデ》の巨像を作る。ローマのシステナ礼拝堂の大天井画はその規模において世界的な大作と言える。大祭壇画《最後の審判》は、激しい人物の動態、複雑な構成、激情と崇高の力強い交錯により彼の絵画の頂点を示す最大傑作である。バロック絵画への指針をも示した。建築家としてもすぐれ、フィレンツェのメディチ家の図書館を初め、邸宅、聖堂の設計、建築を行った。

10月 尾形 光琳 Korin Ogata

1658~1716
京都の老舗呉服商に生まれる。宗達を創始者とする琳派の新奇な「意匠・デザイン」をうけついだのが元禄期の光琳であった。町人文化が開花し、生活をいろどる装飾作品を多く手がけ、絵つけを行うわが国初のデザイナーとして活躍した。「型・パターン」のリズミカルな配列によって華麗なる装飾美を生み、《燕子花図屏風》や香包の《千羽鶴図》などを創った。54歳の時に、創作意欲を一挙に解き放つ。《紅白梅図屏風》をはじめ《孔雀立葵図屏風》《竹梅図屏風》など代表作はこの時期に完成した。

11月 フランシスコ・デ・ゴヤ Francisco de Goya

1746.3.30~1828.4.16
スペインの画家、版画家。18世紀スペイン絵画の代表者。はじめ宮廷織物工場で壁掛けの下絵を描き、ついで第一宮廷画家となった。ロココ風の肖像画、風俗画や装飾画を描いたほか、幻想的な絵や、厳しい写実の手法による銅版画の連作があり、フランス印象派のマネ等に与えた影響は大きい。特に銅版画にすぐれ、聖職者や政治、風俗を風刺した《カプリチョス》や《闘牛》の連作のほか、ナポレオンの占領軍に対するスペイン人の抵抗を描いた連作《戦場の惨禍》がある。卓越した技量で、モデルの隠された個性や心理までも描き出した。

12月 エミール・ガレ Emile Galle

1846.5.4~1904.9.23
フランスの工芸家。『アール・ヌーボー」の代表的作家である。植物学を学んだ後、オリエントのガラスと磁器の技法を調べ、装飾を浮き彫りにしたオリエント的なガラスの模様化を試みた。これは中国のカメオ・ガラスの製法にもとづくものであった。また、ガレは家具のデザイナーでもあり、美しいはめ木細工の花のデザインに、混合した木材の変化に、引回し模様の装飾に、アール・ヌーボーの傾向がみられる。すべて作品には署名がしてあり、装飾的な仕方で模様の中に組みこまれた。ガレの作品は工業生産化されても、つねに手づくりの如くに見えた。