世界の偉人筆跡カレンダー 2000年

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2000年 Calendar  





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1月 空海 Kukai

774~835
平安初期、讃岐国(香川県)に生まれる。
804年、30才で唐の長安に学ぶ。806年に帰国。
816年に高野山に金剛峯寺を設立し、真言宗を開く。
儒教・仏教・道教の三教を論じた『三教指帰』は学問的研究と山林修行の成果を示す。
庶民教育、社会事業や漢詩文、書道の面でも優れた業績を残した。
その死後、921年に受けた諡号「弘法大師」の名で、今なお親しまれ、尊敬されている。

2月 魯迅 Lǔ Xùn

1881.1936
中国の近代作家・思想家。本名 周樹人。
中国・浙江省に生まれる。
日本で医学を学んだが、国民国家創造の原動力を文学に見出し、作家の道へと進む。
処女作『狂人日記』で旧体制下の中国を痛烈に批判。
中国社会底辺の人間像を描いた『阿Q正伝』で中国における近代文学の黎明を告げる。
小説の他、名著『中国小説史略』などの文学論、海外文学紹介、社会批判にも尽力した。

3月 小堀遠州 Kobori Enshu

1579.1647
江戸前期の武将・茶人・造園家。近江国(滋賀県)に生まれる。
豊臣秀吉、徳川家康に仕え、作事奉行、伏見奉行を務めた。遠江守であったので、
遠州と称した。吉田織部に茶を学び、俗に「綺麗さび」と呼ばれる独自の茶風を確立。
三代目将軍徳川家光の茶道師範となる。絵画、和歌、生花、建築、陶磁、造園に通じ、
中興名物と呼ばれる茶道具の選定など、後世に与えた文化的業績は著しい。
南禅寺金地院の方丈庭園は、遠州の手によるものである。

4月 王羲之 Wáng Xīzhī

307?~365?
中国・東晋の書の大家。琅邪(現 山東省臨沂)に生まれる。
王氏は当時、東晋王室の司馬氏と勢力を二分する名家であった。
右軍将軍、会稽内史を務める。楷書、行書、草書の三体を芸術的に完成させ、
その子王献之とともに二王と呼ばれる。その書風は優美・典雅で、力強い。
『蘭亭序』『黄庭経』など有名。世界的な書聖としてたたえられている。

5月 本阿弥光悦 Hon'ami Koetsu

1558~1637
江戸初期の芸術家。京都に生まれる。
室町時代より代々、刀剣鑑定を家業とする京都・本阿弥家の分家に生まれる。
1604年、角倉素案らと豪華書籍『嵯峨本』を刊行。独自の書風、光悦流を編み出し、
俵屋宗達らと華麗な書画競作の世界を築く。1615年、徳川家康から拝領した鷹ヶ峰に
芸術村を開く。茶の湯・書・陶芸など諸芸に優れ、蒔絵制作も指導した。

6月 孫文 Sūn Wén

1866~1925
中国の革命家・政治家。広東省に生まれる。
香港の西医学院などで医学を学び、早くから西欧的教養を身につけた。
興中会、中国革命同盟会を組織。1911年、清朝を打倒し中華民国の初代臨時大統領となる。
その後、政権を袁世凱ら軍閥派に奪われると、それに対し度々決起。
民族、民権、民生の三民主義の実現に尽力し「国父」、また「革命の先駆者」と尊ばれている。

7月 雪舟 Sesshu Toyo

1420~1506?
室町後期の画僧。日本の水墨画の大成者。
本名 小田等楊。備中(岡山県)に生まれる。
少年期に京に出て相国寺に入る。春林周藤に参禅し、画を周文に学ぶ。
1467年、明に渡る。大陸の自然を師とし、研鑽を積む。
帰国後も各地に遊び、景勝を写生する。
『天橋立図』、『秋冬山水図』など名作を多数残す。
禅画の制約を超え自由な境地に達した画境は、後世、狩野派などに多大な影響を与えた。

8月 乾隆帝 Qián lóng dì

1711~1799
中国・清の第六代皇帝。
1735年に即位し、60年にわたって在位した。
貴州、雲南に出兵、チベットなども支配下に置き、中国史上最大の版図を得る。
帝国辺境を平定、内政を充実させ、清の国力はこの時期、最も強大であった。
資性聡明、博学尚文とうたわれ、『四庫全書』『大清一統志」など歴史的な編纂事業を
進める傍ら、文化遺産の収集、研究にも力を入れた。
一方、厳しい禁書策と言語統制を図り、反清思想を弾圧した。

9月 一休 Ikkyu Sojun

1394~1481
室町時代の臨済僧。京都に生まれる。
後小松天皇の庶子といわれ、幼少よりその才知を持って知られる。
華叟宗曇に師事し、1418年、一休の号を書し与えられる。
1467年以降、各地に遊び、腐敗した当時の禅宗の革新に尽力。
また、大徳寺の復興に努めた。世俗的名利を嫌い、在家的・民衆的な禅を説き、
強化活動に力を入れる。女性を愛し実子までもうけるなど人間味あふれ、
僧として型破りな行動の数々は『一休咄』等を生み、伝説化された。詩集『狂雲集』がある。

10月 徽宗 Hui Zong

1082~1135
中国・北宋第八代の皇帝。
政治に関しては不熱心な一方、詩や書画など諸芸術に造詣が深く、美術工芸を奨励した。
太古美術を収集し、『宣和書譜』、『宣和画譜』を作成。
画院を改善し自ら指導制作を行う。
特に画は歴代帝王随一で、花鳥図にみられる精緻な写実、
山水画における詩情の表現は、後世に至るまで模範となった。
代表作に『桃鳩図』がある。

11月 毛沢東 Máo Zé dōng

1893~1976
中国の政治家・思想家・革命家。
中国・湖南省に生まれる。
1921年、中国共産党第一回大会に参加。その後、革命根拠地を築き農民運動を指導する。
1937年日中戦争勃発後、『持久戦論』等を発表、中国を勝利へと導いた。
抗日戦争、土地政策による解放区の拡大をすすめ、
1949年、主席として中華人民共和国成立を宣言した。
中国を外国の援助に頼らない強大国へと導き、その革命思想は世界に大きな影響を与えた。

12月 沢庵 Takuan Soho

1573~1645
江戸初期の禅僧。但馬国(兵庫県)に生まれる。
大徳寺第百五十三世住持となるも、わずか三日でその職を辞した。
1629年、紫衣事件で幕府と抗争し、出羽に配流。のち許されて、将軍徳川家光に重用される。
品川に東海寺を開く。詩歌、書画、茶道に通じその書は茶道で珍重される。
幕府や武人の信任が厚く、その深い見識は寛政文化の興隆に貢献した。
また、沢庵が出した「たくわえ漬けの香の物」を、家光が「たくわえ漬けならぬ沢庵漬け」と
喜んで賞味したのが、沢庵漬けの起原ともいわれる。